「売上を上げる方法は3つしかない」
これは、世界NO.1マーケッターと呼ばれるジェイ・エイブラハムが提唱する有名な絶対法則だ。その3つの方法とは、、、
①顧客数を増やす
②平均販売額を増やす
③購入頻度を増やす
実に単純明快。言われてみれば確かに、これ以外に売上アップの方法はない。だからすごく大雑把に言ってしまうと、売上を上げたければこの中のどれか(あるいは全部)をやればいい、ということになる。そして多くの人が真っ先に思いつき、まずやりたがるのが①だ。顧客数を増やすこと、つまり「集客」。
しかし、これが大きな間違い。
何が間違いかというと、順番だ。この3つはどれも重要で、やらなくてもいいことなど1つもない。何をやっても(うまくやれば)必ず売上が上がる。しかし、取り組む「順番」には注意が必要だ。
もう10年ぐらい前の話になるが、こんなことがあった。
ある税理士事務所から仕事の依頼があった。もっと売上を上げるために「営業」をしてほしいと。ウチは営業力がないからダメで、もっと新規を取らなければいけないと所長は言う。仕事を引き受けた僕は、まずリサーチを始めた。市場(お客さん)やサービスのリサーチではなく、内部の現状リサーチだ。
売上が上がらない理由がすぐにわかった。
そして、僕は所長に言った。
「営業をやる必要はないと思いますよ」
なぜなら、この税理士事務所には新規のお客さんはそれなりに来ていた。ホームページからの流入、また銀行や保険会社からの紹介で、毎月コンスタントに顧問先になっていた。しかし、それと同じぐらい既存の顧問先が離れてしまっていた。一番の原因はここだ。よく言う例えで、「バケツに穴があいている」というやつだ。どんなに一生懸命水を入れても、穴があいていては一向に水は貯まらない。まずバケツの穴をふさがないと。
先ほどの3つの法則で言えば③だ。購入頻度、つまりリピートしてもらうこと。
ここを固めずに、いくら新規獲得の営業に力を入れても意味がない。しかし、この間違いをしてしまう会社やお店が非常~~~に多い。
もしあなたが、「とにかく新規!営業、営業!」と思っているなら、一度立ち止まって考えてみてほしい。新規を増やすより、既存顧客を維持する(または育てる)方が重要なことが多いし、何倍も簡単だ。それに、「新規顧客に販売するコストは、既存顧客に販売するコストの5倍かかる」と言われている。
今、あなたに必要なのは、本当に「集客」ですか?
高畑昌史
Comments