
これは、アメリカでの実話・・・
ホームレスの男が、サンフランシスコの高級レストラン前の路上で物乞いをしていた。その男は、他のホームレスたちがするように、「ホームレスです。助けてください」という懇願の言葉が書かれたボードを手にしている。
道を歩くほとんどの人と同じように、レストランのお客さんたちも男が見えていないかのように素通りしていく。そこに、パトリックという名のマーケティングのプロがレストランに向かって歩いてきた。
パトリックは、男が苦しみを訴えているボードを見て、あることを思いついた。ボードのメッセージを変えるだけで男の運命を変えられると考えたのだ。そこでホームレスに近づいて話し始めた。
「そのボードのメッセージを変えさせてくれたら2ドルあげよう」と言った。そして、自分が食事をしている間、新しいボードを持っているようホームレスに頼んだ(これぞマーケティングのテストだ)。自分の実験のために、その男をやる気にさせようと、食事を終えたときに男がまだその場所にいたらもう5ドルあげると約束した。
その日、そのホームレスの実入りは思わしくなかった。そこで、どうせ失うものなどないのだし、空腹で胃に苦痛を覚えていたことから男は取引に応じた。
2時間後、パトリックがレストランから出てきた。ホームレスの男はまだその場にいた。パトリックが約束した追加の5ドルを渡そうとすると、男はそれを受け取る代わりに、逆にパトリックに10ドルあげたいと言ってきた!
ホームレスは、メッセージを変えてから2時間で60ドルを稼いだらしい。いつもは、よくても1時間で6ドル程度(2時間だと12ドル)しか稼げないのに、5倍のお金が手に入ったのだ。わずかの時間でできるちょっとした調整をしたことで500%の増収ということだ。
「ホームレスです。助けてください」
このメッセージを、どんなメッセージに変えたのか?
あなたもちょっと考えてみてほしい。
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稼ぎを5倍にした新しいメッセージは、、、
「あなたが飢えたらどうしますか?」
元のメッセージとはアプローチの視点が異なる。通行人に何か頼むものではない。シンプルな問いかけだ。そして、高級レストランの前という場所のために、その問いかけが極めて強力になった。
新規顧客を獲得するために、これ見よがしの、大げさな約束をメッセージにするのはもはや効果的ではない。広告において、見込客が一番最初に目にする部分を「リード」と言うが、リードにはたった1つの役目しかない。「注目をつかみ、感情的なつながりを持ち、引き込む」ことだ。
想像してみてほしい。マーケティングにおけるちょっとした変更で、売上が500%跳ね上がるとしたらどうだろう?チラシ、パンフレット、ホームページ、SNS、動画、あるいはどこか掲載している広告・・・これらのメッセージを見直すことで、あなたにも同様の変化が起こる可能性が十分にある。
高畑昌史
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