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執筆者の写真高畑 昌史

「商品に恋をするな、顧客に恋をしろ」



高畑です、


前回からの続きで、「頑張らずに売る方法」の話をします。


「商品に恋をするな、顧客に恋をしろ」


これは、世界ナンバーワンマーケッターと呼ばれているジェイ・エイブラハムの有名な言葉です。


ほとんどの事業主は「自分の商品に夢中」なので、いかにしてこの商品を売るか、あるいはいかにしてこのお店に集客するかということばかり考えてしまいます。


そこ(その会社やお店)で働いている社員さんは、「これを売ってこい」と言われます。そして、これを売るためにはどうすればいいかを一生懸命考えます。


僕がこれまでに(唯一と言ってもいいと思うのですが)結果を残せなかった会社員時代があります。そこで扱っていた商品がどうしても好きになれなかったのです(具体的にどんな商品だったかは伏せておきますが・・・)。お客さんのその問題を解決するためには、もっといい方法がいくらでもあるじゃないかと思えて仕方なかったのです。

※もちろん、そこで結果を出している社員さんもいたので、商品そのものが悪いわけではありません。あくまでも僕が好きになれなかったということです。


このときの僕は商品そのものが好きになれなかったのでそもそも問題外でしたが、商品が好きでたまらない場合であっても同じことが起きます。


どういうことか?


商品ありきで考えると、どうしても相手を説得しようとしてしまいます。この商品がいかに素晴らしいか、他とどう違うか・・・。でも、そもそも相手が欲しいと思っていなければ、どれだけ力説しようが何も響きません。そして、何とかわかってもらおうとしてさらに一生懸命になる・・・。これじゃ疲れますよね。


そこで、僕はまずこんなふうに考えます。


「顧客は何を欲しているのか」


それは物そのものとは限りません。例えば、相手(営業先)が量販店のバイヤーだった場合、売れそうな物よりも欲しいのは「利益率の高いもの」かもしれないし、物がどうとかよりも「頻繁に通ってくれること」かもしれない。僕は、そこをまず確かめようとします。それがわかった上で、対応できるところを全力で推します。


そうは言っても、自社が物を扱っている場合(メーカーさん等)には在庫の問題もあります。Aという商品が残ってしまっているからこれをどうしても売りたいとか。また、少しでも利益の出る商品を売りたいというのも当然あります。でもこれって、完全に売り手都合の発想ですよね。


僕は、相手が求めているのがBという商品なら、それが自社にとっては利益率が低いし何の在庫削減にならないとしても、それを気持ちよく提案してあげることをお勧めします。そこで関係ができれば(こちらを向いてくれれば)、そのうちAを買ってくれる日が来ます。これは経験上かなり可能性が高いです(Aがダメダメ商品なら話は別ですよ)。


そして、この姿勢で営業活動をする一番のメリットは、いつのまにか広がるということです。


僕は今ある企業さんの営業サポートをしているのですが、その先の営業先に大手量販店があります。このスタイルで活動していると、そのうち向こう(お客さん)の方から連絡が来るようになります。しかも、全然知らない(訪問したことのない)店舗からも問い合わせが入ったり、ウチのお店にも来てくれと言っていただくようになります。


つまり、確かに最初は頑張っていたと思いますが、途中から頑張らなくても注文が入るようになるわけです。


ここで今一度ジェイ・エイブラハムの言葉を借りますが、ポイントは「商品ではなく顧客に恋をすること」です。


顧客は何を欲しがっているのかを純粋に考えること。


もしかしたら、自社の商品やサービスを否定しなければならないこともあるかもしれません。商品に思い入れがあると、それはとてもツライことだと思います。だけど、ビジネスの中心は「顧客」です。顧客の問題を解決すること、顧客の人生をより良くすることが、商品やサービス、あなたの会社の目的なはずです。



高畑昌史



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